21-26 NOV. 2023
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2023年11月21日(火)
ミューズのダンス ― 詩の最高傑作 : ノーベル文学賞受賞詩人
シンボルスカ、エリティス&セフェリスの紹介The dance of the muses - poetry at its best: a presentation of Nobel laureates Szymborska, Elytis & Seferis
日本語
現代ギリシャ詩研究家の茂木政敏が、現代ギリシャ詩を代表する二人のノーベル賞詩人、ヨルゴス・セフェリスとオディッセアス・エリティスについて紹介する。当然、二人の生涯と作品を語ることになるが、今回は彼ら二人の「一個の全体」というギリシャ観に特に焦点を当てる。これは古代のみ価値を置くルネサンス・ヨーロッパによるギリシャ観に反抗し、二人をはじめとした「三十年代世代」が提唱・探求した概念であって、古代のみならず、ビザンツ、近世、近現代ギリシャ各文化を地続きなものと捉えるものである。そのため、『エロトクリトス』、マクリヤニス回想録、画家テオフィロスなど近世ギリシャ文化についても言及されることになるだろう。それらは、日本でほとんど紹介されていないギリシャ民衆文化を紹介する機会となり、さらには、そうした独自性、複数性を取り込むヨーロッパ文化の強靭さを考える機会ともなると信じている。
日本語
池澤夏樹は東日本大震災で改めてシンボルスカを発見した。「眺めと別れ」という詩の「春を恨んだりはしない」という1行を自身の震災レポートの書名にした。2009年から2020年まで朝日新聞に連載したコラムのタイトルを「終わりと始まり」としたのも彼女の詩に由来する。彼女の詩について工藤幸雄は「哀しい世事を体験したうえでの飄逸、諧謔、優しさ」を特徴として挙げる。池澤はもう一人の女性詩人のことを思う。茨木のり子。この人も正に「哀しい世事を体験したうえでの飄逸、諧謔、優しさ」を書いてきた。今回、両者を並べてみて、その口語的な文体、少しだけ皮肉な姿勢、しなやかな芯の強さ、などなど共通するものが多いことに驚いた。
2023年11月22日(水)
- フランツ・カフカ生誕140周年記念
- スペイン文学の
日本語
芥川賞受賞作家の上田岳弘、小山田浩子、藤野可織がフランツ・カフカとその作品から受けた影響や、自身のカフカ論について語る。司会は、カフカ作品の研究・翻訳者の京都大学大学院文学研究科・文学部准教授の川島隆。トーク後、「フランツ・カフカ ショートストーリーコンテスト」の授賞式が行われる。詳細はhttps://www.kafkaprojekt.com/
共催:チェコセンター東京、ゲーテ・インスティトゥート東京、ポーランド広報文化センター、オーストリア文化フォーラム東京、早稲田大学国際文学館、早稲田大学大学院文学研究科現代文芸コース
スペイン語(日本語の同時通訳あり)
書くことと生きること、人はどちらかを選ばなければいけないのか?文学で私たちの世界を説明することは可能なのか?書くことは生きる苦しみを癒す薬になるのか?音楽、絵画、他の芸術の場合はどうなのか? 小説家および詩人のメルセデス・セブリアンとの対話においてこれらの答えを探すと同時に、書くことが私たちの興味、情熱、そして幻想を反映し、ハチ公のように忠実な友人となる方法について語る。詳細は https://tokio.cervantes.es/
2023年11月23日(木)
ヨーロッパ文学の現在と未来“narrating eu:rope” Launch Event
日本語・英語(同時通訳あり)
欧州連合(EU)による新プロジェクト「ああいう、交遊、EU文学」の発足イベントとして、欧州文学の最新の動向や、まだ日本語に翻訳されていない新刊書を紹介する。プログラムの中心となるのは、欧州の各言語から日本語への翻訳を手がける日本人翻訳者たち。 昨今の文学のトレンドに敏感な彼ら/彼女らが、翻訳対象言語の新たな名作を紹介し、音楽ライブやトーク、日本の出版社による展示を交えながら、欧州文学の現在と未来に迫る。また、本イベントの開催にあわせて、「ああいう、交遊、EU文学」のウェブサイトも公開される。
2023年11月24日(金)
- 思い出を言葉に綴るワークショップ
- アイルランド&イタリア 文学の
ドイツ語
自分の宝箱を開け、思い出を取り出し、光に当てて、ほこりを払い、眺めてみる – ドリス・デリエは、買い物リストから学術的な文章まで、すべての文章は創造的であるとして、「クリエイティブ・ライティング」の実践法を編み出した。このワークショップでは、ドリス・デリエが自身の経験を共有し、実例を挙げてレクチャーする。参加者とともに記憶と意識へのアプローチをさまざまな方法で探求し、書くという筋肉をどのように鍛えれば、自分自身の人生に出会えるかを教えてくれる。
共催:東京大学・ドイツ語ドイツ文学研究室
英語・日本語(逐次通訳あり)
カーネギー賞受賞作家サラ・クロッサン(オンライン出演)が、自身の作品を朗読。その後、翻訳家の金原瑞人と三辺律子とともに児童書・ヤングアダルト小説について語る。
日本語・イタリア語(逐次通訳付)
日本とイタリアの両国に拠点を置く作家、フランチェスカ・スコッティが、自身が編纂したアンソロジー La Camera degli animali (「動物たちの部屋」、イル・サッジャトーレ、2022) を出発点に、文学、特にイタリア文学において動物がどのように描かれてきたのか、また動物の存在が彼女の作家活動にどのように影響を与えてきたかについて語る。進行は、東京大学大学院総合文化研究科の准教授で、イタリア近現代文学研究者の山﨑彩が務める。
2023年11月25日(土)
ヨーロッパの作品を一気に紹介
共催:港区立三田図書館
日本語・チェコ語
作家、詩人、脚本家として高い評価を受けるチェコのマレク・シンデルカと、翻訳家で中欧文化研究の第一人者である阿部賢一(東京大学准教授)の二人が、シンデルカのミステリー小説『過ち(仮)』を中心にトークを繰り広げる。東京からプラハへと極めて希少な蘭を密輸しようと試みるクリシュトフの魅惑的な物語の世界を、一緒に探求してみませんか。
日本語
デンマークは、翻訳者枇谷玲子が自身の訳書『結婚/毒 コペンハーゲン三部作』 (トーヴェ・ディトレウセン作、みすず書房、2023年)を紹介。また、作家スーネ・デ・スーザ・シュミット=マスンが自著『カレン・ブリクセン/イサク・ディーネセンについての小さな本』(枇谷玲子訳、子ども時代、2024年刊行予定)をビデオメッセージで紹介する。
フィンランドは、翻訳者上山美保子が10月刊行の『アイノとアルヴァ―アアルト書簡集』(原題:Rakastan sinussa ihmistä, 2021)を紹介する。原著者は、二人の孫のヘイッキ・アアルト=アラネン氏。同書は、フィンランドの建築家アイノ・アアルトとアルヴァ・アアルトが家族や友人たちと交わした書簡をもとに、彼らの日々の暮らしや歴史の大きなうねり(フィンランドの独立、第二次世界大戦)の中でどのように生きてきたかを伝える作品となっている。上山美保子が、翻訳作業中に感じたことや本の魅力などを伝える。
日本語
オランダ在住のオランダ文芸翻訳者である國森由美子が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック後初めて帰国する機会に、日本の各出版社との遠隔の共同作業で刊行された以下3冊の訳書を紹介。担当編集者も登壇し、訳書にまつわるトークを行う。
- ロベルト・ヴェラーヘン『アントワネット』(集英社、2022年)
- マリーケ・ルカス・ライネフェルト『不快な夕闇』(早川書房、2023年)
- ルイ・クペールス『慈悲の糸』(作品社、2023年)
日本語
何百年もの間、ブルガリア人のアイデンティティを守ってくれたブルガリア人の魂、ブルガリア民謡の世界へようこそ!ブルガリアの最も有名な民謡のテーマ、国を形作り、精神的な支柱となってきたものをみなさんにお伝えする。特別ゲストとして、2022年にゆめある舎より出版された『バラの国の唄がきこえる』の発行人である谷川恵氏がプレゼンテーションを行う。また、ブルガリアの民族音楽を愛する佐藤みゆき氏がブルガリアの民謡を歌う。
2023年11月26日(日)
青少年向けの文学、
(皆が楽しめる)現代ヨーロッパ青少年文学の素晴らしい世界
ハンガリー語・日本語
英語・日本語
二言語での朗読会:若い読者のためのアイルランドの本
オランダ語・日本語
動植物の美しい X 線写真を通して、自然の秘密の世界を発見しましょう!
「イノチノウチガワ ― X線写真で見る生き物の世」(実業之日本社、2022)より、作家ヤン・パウル・スクッテンと翻訳家野坂悦子がオランダ語と日本語で朗読します。
日本語
アイデアからそれを形にするまでの絵本作りは大変面白い反面、非常に長い過程を要する。児童文学作家・イラストレーターのチューケ・キッティは、幼い頃から自分の作品を世界で紹介する事を夢見ていた。本イベントでは、絵本づくりの世界の内側を紹介すると共に、チューケの作品とその背景、これまでの本に関するプログラムや今後の計画について話す。
日本語・英語(同時通訳あり)
この鼎談では、ヨーロッパの3ヵ国出身の作家やイラストレーターが集い、それぞれの作家が文学やイラストにより青少年に語り、青少年に向けて創作することで、どんな喜び、成功、チャレンジや困難に出会うかというテーマを探求する。
日本語・英語(逐次通訳あり)
この講演では、時代背景に言及しつつ、独立回復後のリトアニアを代表する児童文学作家らとその作品を紹介する。また、伝統的な児童世界観からの脱却、世界に対するより深い洞察、新しい芸術的表現手段による解釈などを特徴とするリトアニア児童文学の現代を概観する。
日本語・フランス語・英語(通訳あり)
文学には目に見えないものを明らかにし、様々な現実が存在する中で、この宇宙で最も複雑な考えと向き合わせてくれる力がある。文章と描画を通して科学の魅力、自然の驚異、歴史の面白みをどのように探求心のある読者に伝えるか。この難しい使命を引き受けた2人、オランダで最も人気な子供向けノンフィクション作家ヤン・パウル・スクッテンと、フランスのポップアップアーティストで子供向けノンフィクションのイラストレーターであるエレーヌ・ドゥルヴェールに話を聞く。