日本語・チェコ語
小説『過ち』を中心に、作家マレク・シンデルカと翻訳家阿部賢一との対談
作家、詩人、脚本家として高い評価を受けるチェコのマレク・シンデルカと、翻訳家で中欧文化研究の第一人者である阿部賢一(東京大学准教授)の二人が、シンデルカのミステリー小説『過ち(仮)』を中心にトークを繰り広げる。東京からプラハへと極めて希少な蘭を密輸しようと試みるクリシュトフの魅惑的な物語の世界を、一緒に探求してみませんか。
このプログラムに関連する作品をWEB上で読む
マレク・シンデルカ
1984年生まれ。チェコの詩人、小説家、脚本家である。詩集『Strychnin (Strychnine)』でデビューし、2006年のイジー・オルテン賞を受賞。2年後には初の小説『Chyba(Aberrant)』を出版し、その後は短編集『Zůstaňte s námi(Stay Tuned)』を出版。現代生活を批判的で皮肉な視点で表現したこの作品で、2012年のマグネジア・リテラ賞を受賞した。物語が交差しあう短編をまとめた『Mapa Anny(Map of Anna)』では、若者たちの感情や生活に深く迫っている。2016年には、ヨーロッパの”移民危機”に焦点を当てた小説『Únava materiálu(Material fatigue)』を出版した。最新作は、V. マシェクおよびM. ポコルニーとのコラボレーションによるグラフィックノベル『Svatá Barbora(Saint Barbora)』である。
脚本家としても活躍しており、ミハル・ノヘイル、ヴァーツラフ・カドルンカ、マルチン・マレチェク、トマーシュ・ボヤルらの監督作品で脚本を執筆。映画『Okupace(Occupation)』(ヴォイチェフ・マシェクとの共同脚本)では、チェコ・ライオン賞にて最優秀脚本賞を受賞、2021年のチェコ映画批評家賞を受賞。
阿部 賢一
東京大学准教授。専門は、中東欧文学、比較文学。著書に『複数形のプラハ』(人文書院)、『カレル・タイゲポエジーの探求者』(水声社)、訳書にチャペック『白い病』、『マクロプロスの処方箋』(岩波文庫)、『ロボット(R.U.R)』(中公文庫)、フラバル『わたしは英国王に給仕した』(河出文庫)、ハヴェル『通達/謁見』(共訳、松籟社)、オウジェドニーク『エウロペアナ 二十世紀史概説』(共訳、白水社、第1回日本翻訳大賞受賞)など。