View this page in English
1-2
ポーランド ポーランド

日本語

ヴィスワヴァ・シンボルスカと茨木のり子、ポーランドと日本

2023年11月21日(火) 18:30 - 19:30 板橋区立中央図書館

池澤夏樹は東日本大震災で改めてシンボルスカを発見した。「眺めと別れ」という詩の「春を恨んだりはしない」という1行を自身の震災レポートの書名にした。2009年から2020年まで朝日新聞に連載したコラムのタイトルを「終わりと始まり」としたのも彼女の詩に由来する。彼女の詩について工藤幸雄は「哀しい世事を体験したうえでの飄逸、諧謔、優しさ」を特徴として挙げる。池澤はもう一人の女性詩人のことを思う。茨木のり子。この人も正に「哀しい世事を体験したうえでの飄逸、諧謔、優しさ」を書いてきた。今回、両者を並べてみて、その口語的な文体、少しだけ皮肉な姿勢、しなやかな芯の強さ、などなど共通するものが多いことに驚いた。

池澤夏樹

池澤夏樹

作家、詩人。
1945年北海道帯広市に生まれる。小学校から後は東京育ち。
以後、多くの旅を重ね、3年をギリシャで、10年を沖縄で、5年をフランスで過ごして、今は札幌在住。
『スティル・ライフ』で芥川賞を受賞。その後の作品に『マシアス・ギリの失脚』、『花を運ぶ妹』、『静かな大地』、など。最近の小説は『また会う日まで』。
『池澤夏樹=個人編集 世界文学全集』にはポーランドからカプシチンスキの『黒檀』とゴンブローヴィッチの短篇「ねずみ」を収めた。

SHARE