日本語・イタリア語(逐次通訳付)
動物奇譚における現実と幻想-文学的探究
日本とイタリアの両国に拠点を置く作家、フランチェスカ・スコッティが、自身が編纂したアンソロジー La Camera degli animali (「動物たちの部屋」、イル・サッジャトーレ、2022) を出発点に、文学、特にイタリア文学において動物がどのように描かれてきたのか、また動物の存在が彼女の作家活動にどのように影響を与えてきたかについて語る。進行は、東京大学大学院総合文化研究科の准教授で、イタリア近現代文学研究者の山﨑彩が務める。
フランチェスカ・スコッティ
イタリア・ミラノ生まれ。2011年よりイタリアと日本を拠点に活動。音楽院でディプロマを取得し、法学で学位を取得。2011年に短編小説集 Qualcosa di simile (「似たもの」、イタリック)でデビューし、フチーニ賞を受賞。ジョイス・ルッス賞では最終候補作品に選ばれた。マントヴァの文芸フェスティバル「フェスティヴァレッテラトゥーラ」新人文学賞「スクリットゥーレ・ジョーヴァニ」に選出される。また、イタリア国内外の雑誌に短編小説や報道記事を執筆。ボンピアーニより Ellissi (「省略」、2017)、 Capacità Vitale (「肺活量」、2019)を刊行。2022年にはアンソロジー La camera degli animali (「動物たちの部屋」、イル・サッジャトーレ)を監修した他、L’incanto del buio (「暗闇に浮かぶ夢」、クラウディア・パルマルッチ絵、オレッキオ・アチェルボ)、短編集Il tempo delle tartarughe (「カメの時間」、ハッカ)を刊行。最新作は Shimaguni. Atlante narrato delle isole del Giappone (「島国 島々が語る日本」、ボンピアーニ、2023)。
山﨑 彩
東京生まれ。東京大学文学部卒業。同大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。現在、東京大学大学院総合文化研究科准教授。専門はイタリア近現代文学。これまでの研究対象は主に国境の町トリエステで書かれたイタリア語の文学作品で、特にイタロ・ズヴェーヴォ、ウンベルト・サバ、クラウディオ・マグリスといった作家について考察してきた。共訳書にU・エーコ『ウンベルト・エーコのテレビ論集成』(河出書房新社)、M・ムッツァレッリ『イタリア・モード小史』(知泉書館)、F・マライーニ『随筆日本―イタリア人の見た昭和の日本』(松籟社)など。共著者として参加した『イタリアの文化と日本』(松籟社、2023年)ではイタリア女性作家の日本における受容と影響について書いた。