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北欧文学と日本語翻訳者
デンマークは、翻訳者枇谷玲子が自身の訳書『結婚/毒 コペンハーゲン三部作』 (トーヴェ・ディトレウセン作、みすず書房、2023年)を紹介。また、作家スーネ・デ・スーザ・シュミット=マスンが自著『カレン・ブリクセン/イサク・ディーネセンについての小さな本』(枇谷玲子訳、子ども時代、2024年刊行予定)をビデオメッセージで紹介する。
フィンランドは、翻訳者上山美保子が10月刊行の『アイノとアルヴァ―アアルト書簡集』(原題:Rakastan sinussa ihmistä, 2021)を紹介する。原著者は、二人の孫のヘイッキ・アアルト=アラネン氏。同書は、フィンランドの建築家アイノ・アアルトとアルヴァ・アアルトが家族や友人たちと交わした書簡をもとに、彼らの日々の暮らしや歴史の大きなうねり(フィンランドの独立、第二次世界大戦)の中でどのように生きてきたかを伝える作品となっている。上山美保子が、翻訳作業中に感じたことや本の魅力などを伝える。
枇谷 玲子
デンマーク語、ノルウェー語、スウェーデン語翻訳家。1980年生まれ。大阪外国語大学でデンマーク語及びデンマーク文学を専攻。訳書70冊以上。2023年に『結婚/毒 コペンハーゲン三部作』(トーヴェ・ディトレウセン作、みすず書房)を翻訳。2021年に出版社子ども時代を設立。2022年に『デジタルおしゃぶりを外せない子どもたち』(ウッラ・デュアルーヴ作、ナシエ絵、子ども時代)を翻訳出版。2024年に『カレン・ブリクセン/イサク・ディーネセンについての小さな本』(仮題)(スーネ・デ・スーザ・シュミット=マスン作、子ども時代)を刊行予定。
スーネ・デ・スーザ・シュミット=マスン
デンマークの作家、編集者、翻訳家、創作指導者。編集者として過去10年間、名だたる作家を世に送り出してきた。著書多数。デンマークの作家、カレン・ブリクセン/イサク・ディーネセンの伝記でギーオウ・ブランデス賞を受賞。カレン・ブリクセン/イサク・ディーネセンは、20世紀のデンマークで最も偉大な作家の一人であり、世界の読者から支持され、今も広く読まれている。アフリカとヨーロッパの伝統にインスパイアされた彼女の実存主義的な作品は、非常に独創的だと考える。ブリクセン/ディーネセンの元私邸である美術館で学生時代に働いて以来、15年以上、彼女の作家活動について研究し、数々のイベント、講演、テレビ番組などに出演してきた。
上山 美保子
1966年生まれ。東海大学文学部北欧文学科卒業。大学在学中にフィンランド・トゥルク大学人文学部フィンランド語学科留学。主な訳書は『フーさん』シリーズ(国書刊行会)、『フィンランド 虚像の森』(新泉社)。翻訳監修に『フィンランド・森の精霊と旅をする』(プロダクション・エイシア)がある。『アイノとアルヴァ アアルト書簡集』(草思社)は、最新の翻訳書。