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パネルディスカッション:Breaking Walls, Building Bridges

Germanyドイツ
Czech-Republicチェコ
Italyイタリア
Portugalポルトガル
Belgiumベルギー

日本語・英語同時通訳

2 17:00 - 19:00
インスティトゥト・セルバンテス東京 オーディトリアム

二極体制の終焉をもたらしたベルリンの壁の崩壊から30年。以来、国としてのアイデンティティやイメージは大きく変化し、新たな局面を迎えているにもかかわらず、こうした変化による影響の全貌を、私たちはまだ捉えきれていません。国境を越えることは、物理的な壁のみならず、人々の心の壁、価値観や態度の違いを超えることでもあります。こうした変化は、ヨーロッパの作家たちが生み出す作品にどのように関与しているのか? 旧体制の崩壊によって約束された自由は達成されたのだろうか? ドイツ、チェコ、イタリア、ポルトガル、ベルギーの5カ国の作家たちが壁崩壊から30年後のヨーロッパ、そこに寄せる希望と不安を語ります。司会は芥川賞作家の小野正嗣。

主催:EUNIC Japan(在日EU加盟国文化機関)

トーマス・ブルスィヒ Thomas BRUSSIG

トーマス・ブルスィヒは1964年ベルリン生まれの作家・劇作家。1991年、小説 Wasserfarben で作家としてデビューしたのち、 Helden wie wir (僕ら英雄たち)(1995年)で国際的な名声を得た。ブルスィヒの作品は30か国以上の言語に翻訳されており、小説のほかにも劇作品や映画のための脚本も執筆している。2000年のドイツ映画賞を受賞した映画Sonnenallee(太陽通り)の脚本ではレアンダー・ハウスマンと共にドイツ脚本賞(1999年)を受賞。他にも、2005年のカール・ツックマイヤー賞をはじめ、2012年には映画 Stankowskis Millionen の脚本に与えられたドイツコメディ賞など、さまざまな賞を受賞している。

パヴェル・ブリッチ Pavel BRYCZ

1968年生まれ。作家、脚本家。プラハ芸術アカデミーの演劇学部(DAMU)を卒業。小説やエッセイのほか、児童書も手掛ける。1999年、チェコの優れた文学作品に贈られるイジー・オーテン賞を受賞し、2004年には史上最年少で国家文学賞の受賞者に選ばれた。Daylight in Nightclub Inferno(Catbird Press社、1997年)に作品の英訳が収録されている。2012年には『夜な夜な天使は舞い降りる (はじめて出逢う世界のおはなし)』(阿部賢一 訳、東宣出版)が邦訳出版された。

ヘレナ・ヤネチェク Helena Janeczek

エレナ・ヤネチェク(1964)は、ドイツのミュンヘンでポーランド系ユダヤ人の両親のもとに生まれ、現在まで30年以上に渡りイタリアに在住し、イタリア語で作家活動を行う。La ragazza con la Leica(ライカを持った少女、2017)は、有名なロバート・キャパのパートナーであり写真家のゲルダ・タロー、彼女のスペイン内戦での早すぎる死までを追い、その人物像を再構成したノンフィクション・ノベルである。この小説でエレナ・ヤネチェクはイタリア文学界最高の賞、2018年ストレーガ賞を受賞。ほかにもヤネチェクは多数の短篇小説を発表し、各国語に翻訳されている。英語で読める作品に、Europa Editions社のThe Swallows of Montecassino (2013) and The Girl with the Leica (2019)がある。

ヴァルテル・ウーゴ・マイン Valter Hugo MÃE

1971年にポルトガルの旧植民国であるアンゴラに生まれ、幼少期にポルトガルに移住。小説 O remorso de Baltazar Serapião (バルタザール・セラピアォンの後悔・未訳)でジョゼ・サラマーゴ賞を2007年に受賞して作家として認められ2012年にはA máquina de fazer espanhóis. (スペイン人製造機・未訳)がポルトガル語圏で最大の文芸賞の1つであるポルトガル・テレコム文芸賞(現オセアノス賞)を受賞。作家としての活動のほか、音楽家、映像アーティストとしても知られ、ポルトガルではアートと音楽についての著作も出版している。また、編集者として短篇集なども出版している。

ヨハン・ローレンス Johan LAUWEREYNS

1969年、ベルギーのアントワープ生まれ。1998年にルーヴェン大学で心理学の博士号を取得。視覚的注意の研究を専門として、米国およびニュージーランドで研究者および教師として勤務。 2010年以来、九州大学の教授。 オランダ語と英語で、20冊以上の詩、エッセイ、小説を出版。 2012年に名門VSB詩賞を受賞した。最近ローレンス存応というペン名で、英語と日本語で並行して書き始めた。現在のプロジェクトは、「公聴会」という大学生活の風刺である。

司会

小野正嗣 Masatsugu ONO

1970年大分県生まれ。作家、早稲田大学文学学術院教授。文学博士(パリ第8大学)。著書に、『にぎやかな湾に背負われた船』(朝日文庫、第15回三島由紀夫賞)、『マイクロバス』(新潮社)、『夜よりも大きい』(リトルモア)、『浦からマグノリアの庭へ』(白水社)、『獅子渡り鼻』(講談社文庫)、『九年前の祈り』(第152回芥川賞、講談社文庫)、『残された者たち』(集英社文庫)、『水死人の帰還』(文藝春秋)、『ヨロコビ・ムカエル?』(白水社)など。訳書に、マリー・ンディアイ『ロジー・カルプ』『三人の逞しい女』(ともに早川書房)、アキール・シャルマ『ファミリー・ライフ』(新潮社)、アミン・マアルーフ『アイデンティティが人を殺す』『世界の混乱』(ともにちくま学芸文庫)など。

インスティトゥト・セルバンテス東京

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