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越境する表現、その差分から見る文芸

Irelandアイルランド
Spainスペイン
Czech-Republicチェコ

日本語・英語同時通訳

23 金・祝 15:15 - 16:25
駐日欧州連合代表部 シューマン講堂

小説のみならず舞台や映画の脚本も手がけるケヴィン・バリー、写真家としても活躍するアンドレス・バルバ、グラフィックノベルの原案を書くヤロスラフ・ルディシュなど、幅広い分野で活動する作家たちがそれぞれの仕事について語り、また、共に文学と映像等、他の芸術表現との関係について議論します。聞き手は映画評論でも知られる松浦寿輝。

ケヴィン・バリー Kevin BARRY(アイルランド出身、EU文学賞、国際IMPACダブリン文学賞など数多くの賞を受賞)

アンドレス・バルバ Andrés BARBA(スペイン、マドリード生まれ。2001年にデビューし、批評家や読者から高い評価を受けたスペインで注目の若手小説家

ヤロスラフ・ルディッシュJaroslav RUDIŠ(チェコ出身。小説の他、舞台やラジオ用脚本、グラフィックノベルも手がけ、彼が原作を書いた『アロイス・ネーベル』はアニメーション映画にもなった)

阿部賢一Kenichi ABE東京大学准教授、チェコ文学研究者

聞き手/司会:松浦寿輝 Hisaki MATSUURA 作家・詩人・仏文学者・批評家。東京大学名誉教授)

ケヴィン・バリー Kevin BARRY

ケヴィン・バリーは小説『City of Bohane』『Beatlebone』、短編集『There Are Little Kingdoms』『Dark Lies the Island』の著者。2007年にルーニー賞、2012年にはサンデー・タイムズ紙EFG短編作品賞を受賞。

『City of Bohane』はコスタ最優秀小説賞やアイリッシュ・ブック・アワードにおいて最終選考まで残ったほか、オーサーズクラブの最優秀賞や、ヨーロッパ文学賞、国際IMPACダブリン文学賞を受賞。この作品は未来のアイルランド西部が舞台のスリラー小説であり、映画やコミック、ポップカルチャーから大きな影響を受けている。

ケヴィン・バリーの作品はフラン・オブライエンの作品と同様に、鮮やかで真に迫ったタッチと暗くユーモラスなスタイルで展開されている。スコットランドの作家アーヴァイン・ウェルシュからは「アイルランド出身作家の中で、ここ数年で最も印象的かつ独創的」との評価を受けた。また、『Beatlebone』はゴールドスミス賞を受賞し、アイリッシュ・ブック・アワードの最終選考にも残っている。

アンドレス・バルバ Andrés BARBA

アンドレス・バルバ スペイン、マドリード生まれ。2001年にデビューし、批評家や読者から高い評価を受けたスペインで注目の若手小説家。作品に『ふたりは世界一!』など。

ヤロスラフ・ルディシュ Jaroslav RUDIŠ

1972年、チェコスロバキア(当時)トゥルノフ生まれ。小説家、グラフィック・ノベル作家、劇作家、朗読劇作家、脚本家。処女作『ベルリンの下の空』(原題Nebe pod Berlínem)で2002年イジー・オルテン賞を受賞。グラフィック・ノベル三部作『アロイス・ネーベル』(イラストレーターのヤロミール99との共作、2003年・2004年・2005年にチェコで刊行)は2011年にアニメーション映画化され、2012年ヨーロッパ映画賞のアニメ映画賞を受賞した。

映画化もされた小説『グランドホテル』(原題Grandhotel)は2006年に発表された。近年の作品には、『ヘルシンキのパンクの終焉』(原題Konec punku v Helsinkách、2010)、『国民大通り』(原題Národní třída、2013)、『ボヘミアン・パラダイス』(原題Český ráj、2018)がある。いずれも未邦訳。

これまでの作品は10以上の言語に翻訳されている。
ルディシュは現在チェコ北部のコムニツェ・ナド・ポペルコウおよびベルリンに暮らし、チェコ語とドイツ語で執筆している。

松浦寿輝 Hisaki MATSUURA

司会/聞き手

作家・詩人・仏文学者・批評家。東京大学名誉教授。1954年東京都生れ。東京大学大学院仏語仏文学専攻修士課程修了。パリ第III大学にて博士号(文学)を、東京大学にて博士号(学術)を取得。詩集に『冬の本』(高見順賞)『吃水都市』(萩原朔太郎賞)『afterward』(鮎川信夫賞)、小説に『花腐し』(芥川龍之介賞)『半島』(読売文学賞)『そこでゆっくりと死んでいきたい気持をそそる場所』『川の光』『名誉と恍惚』(谷崎潤一郎賞)、エセー・評論に『折口信夫論』(三島由紀夫賞)『エッフェル塔試論』(吉田秀和賞)『知の庭園 一九世紀パリの空間装置』(芸術選奨文部大臣賞)など多数。2012年東大大学院教授を辞職、執筆に専念する。

阿部賢一 Kenichi ABE

1972年、東京生まれ。東京大学人文社会系研究科准教授。チェコを中心とする中東欧の文学・美術、シュルレアリスム、比較文学に関心を寄せている。著書に『複数形のプラハ』(人文書院)、『カレル・タイゲ ポエジーの探求者』(水声社)など、訳書にアイヴァス『もうひとつの街』(河出書房新社)、フラバル『剃髪式』(松籟社)、オウジェドニーク『エウロペアナ 20世紀史概説』(第一回日本翻訳大賞受賞)、セイヤー『プラハ、20世紀の首都 あるシュルレアリスム的な歴史』(以上、共訳、白水社)などがある。

駐日欧州連合代表部

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