日本語・英語同時通訳(ドイツ語・日本語逐次通訳)
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土
14:45 - 15:45
イタリア文化会館
アニェッリホール
現代ドイツの最も重要な作家の一人、トーマス・メレの初の日本語訳となる『背後の世界』(河出書房新社、2018年10月刊)。作家による朗読と、同作品の翻訳家金志成とミュージシャンであり作家の町田康を交えたトークを行います。
トーマス・メレ Thomas MELLE (ドイツ連邦共和国のボンに生まれる。1997年よりベルリン在住。2004年より劇作家・小説家・翻訳家として活動し、数々の賞を受けている)
町田康 Kō MACHIDA (作家、パンクロック歌手、詩人、俳優)
金志成 Jisung KIM (ドイツ文学研究者、早稲田大学教員、翻訳家)
©Dagmar Morath
トーマス・メレ Thomas MELLE
1975年生まれのトーマス・メレは、テュービンゲン、オースティン(テキサス州)、ベルリンで比較文学と哲学を学んだ。脚本を執筆する傍らウィリアム・T・ヴォルマンやトム・マッカーシーなどの作品をドイツ語に翻訳した。デビュー小説『Sickster』(2011年)はドイツ書籍賞にノミネートされ、フランツ・ヘッセル賞を受賞した。続く2014年の小説『3000 Euro』もドイツ書籍賞の候補に挙がり2015年にベルリン芸術賞を受賞。2016年の『背後の世界』もドイツ書籍賞の候補となり、クロプシュトック賞を受賞した。2017-18年はベルゲンの文学賞(Stadtschreiber von Bergen)を受賞。現在、ベルリンとウィーンを活動の拠点とする。
町田康 Kō MACHIDA
1962年生まれの町田康は、日本の小説家、パンクロック歌手、詩人、俳優。1996年にデビュー小説『くっすん大黒』が出版された。この作品でBunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞。ノンセンスや不合理、どたばた喜劇の要素を含んだ彼の描く独特な物語スタイルは、上方落語や時代劇に影響を受けている。2000年に小説『きれぎれ』で第123回芥川賞、2005年に小説『告白』で谷崎潤一郎賞を受賞した。
© Goethe-Institut Tokyo
Jisung KIM
1987年生まれの金志成は、早稲田大学にて学び2018年博士号(ドイツ文学・語学)を取得する。博士課程在学中、日本学術振興会特別研究員をつとめ、ベルリン自由大学にドイツ学術交流会(DAAD)奨学生として留学。2018年以降、早稲田大学でドイツ文学・語学を教える。
『背後の世界』 Die Welt im Rücken
本書『背後の世界』は、今日における人間のもろさをテーマとしている。痛みや不安、時には信じられないほどのユーモアを与える作品。本書の中でトーマス・メレは、自身の抱える精神疾患について語っている。彼は裏切るようにはっきりと、自分はニューロンの花火の中でめちゃくちゃになったと自身を描写した。メレは、精神病に病みそれと同時に研ぎ澄まされた自身の意識を文学の世界へと解き放つ。クラブやコンサートホール、治療施設へと自分を誘った双極性障害の症状を書き留めるうちに、偶然にも今日のポップカルチャーの様相を映し出した。 (「ドイツ語の新しい本」)
本書は2016年、ドイツ書籍賞のショートリストにノミネートされ、メディアと読者を感服させた。また文芸翻訳の新たな社会的試みであるメルク・ソーシャル・トランスレーティング・プロジェクト (アジア10カ国から選ばれた翻訳者10名が、相互に意見交換をし、著者とも密接にやりとりをしながら、ひとつの作品をそれぞれの母語へ翻訳) にも選出された。
イタリア文化会館
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