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日本語で読むヨーロッパ文学 ― 翻訳家の仕事

Polandポーランド
Hungaryハンガリー
Czech-Republicチェコ
Latviaラトビア

日本語・英語同時通訳

23 金・祝 10:30 - 11:40
駐日欧州連合代表部 シューマン講堂

201711月の刊行直後から話題になり、第69回「読売文学賞研究・翻訳賞」および第4回「日本翻訳大賞」を受賞した注目の翻訳書、ボレスワフ・プルス『人形』(未知谷)の邦訳を手がけた関口時正、エステルハージ・ペーテルやクラスナホルカイ・ラースローなど、現代ハンガリー文学の翻訳に携わる早稲田みかにそれぞれ、翻訳作品や作家について、読者に伝えたい情報や苦労話などを聞きます。後半は、他の欧州言語の翻訳に携わる阿部賢一(チェコ文学)や黒沢歩(ラトビア文学)も交えて、ヨーロッパ文学を日本語に翻訳する難しさや楽しさについて語り合います。

関口時正 Tokimasa SEKIGUCHI(東京外国語大学名誉教授、ポーランド文学翻訳家) 

早稲田みか Mika WASEDA(大阪大学言語文化研究科・教授、ハンガリー文学)

聞き手/司会: 沼野充義 Mitsuyoshi NUMANO(東京大学教授、ロシア・ポーランド文学研究者) 

阿部賢一 Kenichi ABE(東京大学准教授、チェコ文学研究者)

黒沢歩 Ayumi KUROSAWA(ラトビア文学翻訳家)

関口時正 Tokimasa SEKIGUCHI

1951年生まれの関口時正は、東京大学でフランス現代文学と比較文化を、ポーランド政府給費留学生としてヤギェロン大学(クラクフ市)でポーランド文学を学んだ。1992-2013年間、東京外国語大学でポーランド文化を教え、現在は同大名誉教授。著書に『ポーランドと他者』(みすず書房)、Eseje nie całkiem polskie(Universitas, クラクフ)、『白水社ポーランド語辞典』(共著)、訳書にJ. コハノフスキ著『挽歌』、A. ミツキェーヴィチ著『バラードとロマンス』、S.I.ヴィトキェーヴィチ著『ヴィトカツィの戯曲四篇』、C. ミウォシュ著『ポーランド文学史』(共訳)、S. アン=スキ/W. ゴンブローヴィチ著『ディブック/ブルグント公女イヴォナ』(分担訳)(以上、未知谷)、J. イヴァシュキェヴィッチ著『尼僧ヨアンナ』(岩波文庫)、J. コット著『ヤン・コット 私の物語』(みすず書房)、『ショパン全書簡1816~1830年――ポーランド時代』(共訳、岩波書店)、S.レム著『主の変容病院・挑発』(国書刊行会)などがある。2017年に未知谷から刊行された訳書『人形』(ボレスワフ・プルス作)で、第69回読売文学賞と第4回日本翻訳大賞を受賞した(ともに2018年)。

早稲田みか Mika WASEDA

大阪大学言語文化研究科教授。ハンガリー語学専攻、ハンガリー文学の翻訳に携わる。

主な訳書:

  • ナーダシュ・ペーテル『ある一族の物語の終わり』簗瀬さやかと共訳、松籟社、2016年
  • エステルハージ・ペーテル『ハーン=ハーン伯爵夫人のまんざし――ドナウを下って』松籟社、2008年
  • クラスナホルカイ・ラースロー『北は山,南は湖,西は道,東は川』松籟社,2006年
  • ラート=ヴェーグ・イシュトヴァーン著『書物の喜劇』筑摩書房1995年
  • ジョン・ルカーチ『ブダペストの世紀末』白水社、1991年
  • ルカーチ・アンドラーシュ、カシュ・ヤーノシュ『ブリューゲル さかさまの世界』大月書店、1988 年

主な著作:

  • 「ハンガリーのノーベル賞作家ケルテース・イムレをめぐる論争」『アリーナ』第20号、 505-510、2017年
  • 『ニューエクスプレス ハンガリー語』白水社、2011年
  • 『ハンガリー語の入門』白水社、2001年
  • 『ブダペスト都市物語』河出書房新社、2001年
  • 『ハンガリー語の文法』大学書林、1995年

阿部賢一 Kenichi ABE

1972年、東京生まれ。東京大学人文社会系研究科准教授。チェコを中心とする中東欧の文学・美術、シュルレアリスム、比較文学に関心を寄せている。著書に『複数形のプラハ』(人文書院)、『カレル・タイゲ ポエジーの探求者』(水声社)など、訳書にアイヴァス『もうひとつの街』(河出書房新社)、フラバル『剃髪式』(松籟社)、オウジェドニーク『エウロペアナ 20世紀史概説』(第一回日本翻訳大賞受賞)、セイヤー『プラハ、20世紀の首都 あるシュルレアリスム的な歴史』(以上、共訳、白水社)などがある。

黒沢歩 Ayumi KUROSAWA

茨城県生まれ。大学卒業後、モスクワ留学。1993年以降、ラトビアのリガにて日本語を教える傍ら、ラトビア大学にて文学を専攻、特に民間伝承および児童文学を研究。ラトビア大学大学院修了。著書に『木漏れ日のラトヴィア』、『ラトヴィアの蒼い風』。著訳書に『ダンスシューズで雪のシベリアへ、あるラトヴィア人家族の物語』(以上新評論社)、『ラトヴィアを知るための47章』(明石書店、共著)、『ラトビアのミトン』などがある。東京在住。ラトビア語講師。

沼野充義 Mitsuyoshi NUMANO

司会/聞き手

ロシア・ポーランド文学研究者、文芸批評家。東大大学院・ハーバード大学大学院に学ぶ。東京大学教授。ワルシャワ大学・モスクワ大学、ハーバード大学世界文学研究所などで客員講師を務める。主な著書に『夢に見られて』、『亡命文学論』(サントリー学芸賞)、『ユートピア文学論』(読売文学賞)、『世界文学から/世界文学へ』、編著書『世界は文学でできている』(全5巻)など。ポーランド語からの翻訳にレム『ソラリス』、シンボルスカ『終わりと始まり』、ロシア語からの翻訳にナボコフ『賜物』、チェーホフ短篇集などがある。

駐日欧州連合代表部

港区南麻布4-6-28 ヨーロッパハウス
日比谷線「広尾駅」出口1より徒歩約10分